高所得者の厚生年金保険料を引き上げる法案が、24日から開かれる通常国会で提出される予定です。現役世代からの追加負担に疑問の声も上がっています。
■「いい加減にして」高所得対象上限引き上げ
22日、経団連と労働組合の中央組織「連合」のトップが一堂に会し、春闘が事実上スタートしました。
連合 芳野友子会長
「ようやく動き始めた賃金の流れを滞らせることは、絶対に避けなければならない」
連合は今年の春闘で「ベースアップ」と「定期昇給分」を合わせて5%以上の賃上げを求め、中小企業についてはそれを上回る6%以上の賃上げを要求する方針です。
一方で、賃上げを前提として俎上(そじょう)にあがっているが、賞与を除く年収798万円以上の会社員、つまり所得の高い会社員の厚生年金保険料の上限引き上げです。
厚生年金は、給料が高くなればなるほど保険料の負担が大きくなるシステムです。
現在は保険料に上限があります。算定基準となる標準報酬が月額65万円の会社員の保険料は5万9475円。月収が100万円であれ、ここが上限のため、これまでは同じ保険料でした。
厚生労働省によると、上限の保険料を支払っている会社員は全体の6.5%、男性に限ると10%いるといわれます。追加で、この層から年収に見合った保険料を支払ってもらおうというのです。
年収1000万円 会社員(50代)
「現役世代はますます年齢ボリュームが少なくなっていくから、そうならざるを得ないのかなって思うけど、もういい加減にしてくれっていうのもあります」
年収600万円 会社員(30代)
「自分の親もいますし、そこを支えていかなきゃいけないのは、国の今の仕組みとしてはしょうがないかなと」
■“将来もらえる額”増加も 5年に1度点検
今回の改正案に対して、ファイナンシャルプランナーの塚越菜々子さんはこう話します。
塚越さん
「収入に応じた保険料の負担をしていないということもありますし、そうなると保険が少ないということになり、収入に応じた保証がかかっていない。その辺を引き上げていくのも、一つの理由」
上限が月収75万円に引き上げられた場合、保険料の本人負担額は月およそ9100円増えます。
一方、悪い話ばかりではありません。負担量が増えた分、受け取る厚生年金は月におよそ5000円増えるといいます。
また月収98万円の場合、増える負担額が3万円なのに対し、受け取る額は1万6700円増えるとしています。
2004年、「100年安心の年金」をうたい文句に平均寿命の伸びと現役人口の減少に応じて、給付額を調整する仕組みが導入されました。5年おきに点検が行われていて、今回はそのタイミングです。
変わり続ける制度に対し、街の人はこう話します。
年収1200万円 会社員(50代)
「どこまで上がっていくのか不安定というか、どこでそういうの(増額)が終わるか。先が見えないので、そういう不安を抱えている」
■厚生労働省 4段階の上限案を提示
国民民主党の古川元久代表代行は、負担を増やすことで国民の不信感を招くことを危惧していました。
古川代表代行
「そろばん勘定が合っていても、国民感情として受け入れられないというか。この(年金)制度は信用できないってなったら、それはやっぱり持続できないのではないか」
法案を提出する厚生労働省は、75万円から98万円までの4段階の上限案を提示していて、具体的な引き上げ額はさらに調整を進めていくことにしています。
(「グッド!モーニング」2025年1月23日放送分より)
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